おはようございます。
3連休も明け、今日からまた出勤の方も多いと思いますが、まだ夏も始まったばかり。水分補給と栄養補給、そしてしっかり眠ることも、夏を乗り切るうえではとても大事なことです。日中エアコンの部屋にいるからといって、無理をして寝苦しい夜にエアコンなしで睡眠不足になっては本末転倒。適度な温度設定にして、良質な睡眠を心がけましょう♪
さて、今日は昨日の記事にひき続き、「高齢者の賃貸住宅事情」について考える(後編)です。
高齢者を取り巻く「賃貸住宅事情」は問題が山積みですが、実は一般的な賃貸住宅全体で考えると、物件の供給過多による圧倒的な「借り手市場」。
近年、都心への一極集中と言われていますが、都内でも一部の地域を除いては「空室問題」を抱えています。
もちろん地方に行けば行くほど、空室問題はより深刻になってくると思いますが、今や全国どの地域でも物件の需給バランスは崩れています。
そんな物件余りのご時世にもかかわらず、「高齢者への賃貸住宅供給」はどうしてなかなか進まないのでしょうか?
それは、大家さんや管理会社の目線で見た場合、大きくは以下の2点についての懸念があるからだと思います。
①金銭的な懸念
・一般的に高齢者の多くは、既に定年を迎え、年金や貯金などに頼って生活をしている方が多いです(=つまり無職)。
もちろん、個別事情では自宅を売却した際のお金や、預貯金、こどもたちからの援助もあるかもしれませんが、やはり大家さんが一番気にするのは、「継続的な安定収入があるかどうか?」です。
大家さんも賃貸経営をしている以上、まずは「滞納リスク」に備える必要があります。
借主さんの「経済事情」はある意味ドライに判断しないと自分の首を絞めることになってしまいます。
②健康上の懸念
・実際はこの懸念が一番だと思います。
高齢者になると、内科、外科問わず、若いころに比べ多少なりとも、体が不自由になるケースが多いです。特に一人暮らしの高齢者になると、居室内で突然倒れたりして、誰にも気づかれずに、最悪の場合、孤独死につながるケースも想定されます。万が一、孤独死などが発生してしまうと、同じマンションの他の住人がその影響で退去する可能性もありますし、そのお部屋の次の入居者募集も家賃を大幅に下げたり、リフォームにも多額の費用がかかります。
そういったリスクを回避するために、高齢者を受け入れたくないという大家さんは実は多いです。
もちろん、大家さんそれぞれの考え方は違うので、高齢者だからと言って入居を断らない大家さんもいます。
しかし、全体傾向としてはやはり敬遠されるケースは多くあります。
今のところ、こういった問題に対応するためには、地域のケースワーカーさんなどの協力を仰ぐことや、息子(娘)さんや親戚が近くに住んでいる地域を選ぶなど、定期的に様子を確認してもらえるような環境に身を置くくらいしかありません。
今回依頼を受けた高齢者(89歳 女性 一人暮らし)のお客様への物件紹介はこれからですが、おそらくかなり難しいことになると思われます。
先日、ご希望条件などをお伺いするためにお会いした際も、「年寄りだから、貸してもらえるなら贅沢は言いません」や、「さんざん断られてきているから」など、おそらく過去のお部屋探しで、あまり良い思いをしてこられなかったような印象を受けました。
もちろん、物件の空室問題は現実としてありますが、中には理解していただける大家さんもいらっしゃると思うので、微力ながら一生懸命お手伝いをして、物件を探したいと思います。
おしまい。