Category: 管理会社・大家さん向け

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おはようございます。

今日も雨降りですね。梅雨の時期はじとじと湿気も多いし、雨で通勤通学も大変なので嫌がる人が多いですが、この時期にまとまった雨が降らないと、昨年のようにダムの貯水量が少なくなり、夏場の節水制限につながる可能性もあります。また、僕の実家も昔は農業を営んでおりましたので、農家さんにとってはこの時期に雨が降らないと農作物の成長にも大きくかかわります。結果、野菜が高騰することにもつながりますので、うっとうしい雨ですが、前向きにとらえましょう♪


さて、今日のテーマは「オーナーチェンジによる物件の変化」ということについて書いていきます。

最近の不動産投資ブームの影響か、大家さんが物件を売却し、新しく購入した大家さん(=投資家さん)へのオーナーチェンジに伴い、管理会社が変更になるケースも増えてきました。同時に、物件の維持メンテナンスに関するトラブルも増えていると聞きます。

特に、「共用部やごみ置き場の清掃、維持管理」についての問題が多いような気がします。

通常、これらの維持管理責任は「大家さん(=管理会社)」にあります。
特に家賃の他に「共益費、管理費」などがかかっている物件は当然その中に費用が含まれます。(言葉通りですね)
また、最近は家賃交渉などの結果、共益費部分を減額やカットする場合もありますが、その場合でも共用部のメンテナンスについては大家さんに責任があると考えられるのが一般的です。

入居者さんに管理義務があるのは基本的には「専有部分(=室内)」だけです。もちろん、室内だけとはいっても、以前の記事で書いた通り、「善良なる管理者の注意義務」がありますので、換気や通風、故障個所の申告などはしなければなりません。


実は、僕が事務所を借りているマンションでも1年半くらい前に、大家さんが変わりました。
元々は地元の地主さんが所有されており、管理会社に依頼せずに大家さんが直接依頼している清掃員さんが日常のお掃除をしてくださっていたのですが、とても真面目な方で、廊下やごみ置き場はもちろん、集合ポスト周りもいつもきれいにしてくれていました。
そのほか、植栽などの手入れも定期的に行っていただき、大家さんが物件を大事にされているのがよく伝わってきました。

それが、事情によりオーナーチェンジとなり、新たに購入した方は「遠方に住む投資家さん」になりました。それに伴い、管理会社も遠方の管理会社が請け負うことに。
それからというもの、物件の共用部が以前と比べ、かなり荒れ放題になりました。
「違法駐輪の増加」「ポスト周辺のチラシごみの散乱」「植栽が伸び放題」「ごみ置き場の悪臭」などなど。

私も自分の事務所が入居している物件の共用部ですから、綺麗な方が良いに決まっています。
気が付いた時にはゴミを拾ったり、片づけたりしていました。
しかしあまりにもひどい状態の時には、さすがに管理会社さんに連絡を入れましたが、ほとんど改善されません。

これは想像ですが、新しい大家さんは投資目的で購入していますから、物件への思い入れは薄いのでしょう。
もっと言うと、利回り重視ですので、無駄なお金(=管理オプションの定期清掃費など)はなるべくかけたくないのが本音ではないかと思います。

それでも管理会社さんが物件所在地エリア内にあれば、定期巡回などで物件を見て、必要に応じて大家さんに提案を行うのでしょうが、そもそも遠方の管理会社ですと何か問題が発生したとき以外は、物件に来ることも見ることもないでしょう。

こういう状況は結果として物件の資産価値を下げ、空室につながり、大家さんや管理会社にとってもマイナスとなります。

特にごみ置き場については汚れ始めると、あっという間にゴミだらけになります。
入居者側のモラルの問題ももちろんありますが、不法投棄の問題と同じで、誰かがごみを捨てていると自分も捨ててもいいやという気持ちになり、結果として、さらにひどい状態になるでしょう。

今のテナント(入居者)は元の大家さんの時と比較して「管理の質が落ちたこと」を感じますし、それが不満で退去をする人もいるかもしれません。
また、空室を募集しても、案内時に汚い共用部を見ると、やはりマイナスの印象を抱くでしょう。
その結果、空室が増え、想定していた利回りを確保するどころか、大幅なマイナスになることもあります。

大事なのは「最低限今まで通り、できれば以前よりも良い管理状態にして、物件価値を高める意識」を大家さんに持っていただくこと、そして管理会社がそれを提案することではないかと思います。

ちなみに僕も以前、小さな中古アパートを購入したのですが、その際に管理メニューはもちろんそのままにして、新たに入居者さんサービスとして「無料インターネット(wifi対応)」を導入しました。これは前回の記事の「テナントリテンション」の考えに基づいているからです。
お陰様で、1室空室が出てもすぐに決まり、いまでは満室稼働中です(笑)。

おしまい。



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おはようございます。
ようやく梅雨らしい天気になり、朝のひんやりした空気が寒くて目が覚めました。今週は雨が多い1週間になりそうですね。

さて、昨日の記事の続きですが今日は「テナント(=賃借人)リテンション(=維持)」について書いていきます。

そもそも空室問題(対策)とは「空室が発生するから」起こる問題です。
つまり「空室を発生させない(=解約されない)」ことで予防することができるとも言えます。

現入居者が「住み続けたい」と思える施策を実施することで、テナントリテンションをしていきましょう。

テナントリテンションの例としては、
・古いエアコンの交換
・TVモニターフォンの設置
・畳の表替え
など、お部屋の設備向上に関わるもの。
設備に関するものは入居者満足と同時に、設備は大家さんの資産になりますので、次回の募集時もTVモニターフォン付き物件として募集が出来ます。

・家賃の減額
・更新料の廃止
・家賃の支払いで貯まるポイントカードの導入
など、金銭的なお得感を提供するもの。
家賃の減額についても、例えば2000円下げるだけでも入居者には喜ばれると思います。
仮に、解約~新規募集となった場合、もっと大幅な減額が必要でしょうし、その他募集にコスト(リフォーム代、募集促進費、空室期間の家賃等)もかかりますので、住み続けていただくことはとても大きなメリットです。
また既に導入している管理会社もありますが、家賃のポイントカード制は、今まで払うだけであった家賃(毎月数万円ですよ!!)でポイントが貯まり、それを商品やチケットに交換できるという、入居者にとってメリット満載のサービスです。しかもそのポイントは同じ管理会社内での引っ越しであれば引き続き継続できるという、管理会社にとっても管理物件の入居率を維持できるメリットがあります。

・無料インターネットサービスの導入
・入居者専用サイト(=掲示板や特別価格でショッピングができるなど)
・入居者同士の交流イベント実施
などの生活インフラの改善など。

僕の知り合いが経営している地方の大手管理会社では、管理物件入居者専用のサイトを提供し、特別料金でチケットなどを購入できたり、アマ〇ンプラ〇ムのようなビデオ配信サービスも管理物件入居者であれば無料で見放題だそうです(驚)。

このほかにも地域や物件の特性に合わせていろいろな施策が考えらえると思いますが、大切なのは、
「既存の入居者にいかに住み続けてもらえるか?」
ということに注力することで、空室問題は大きく改善されると思います。

参考になれば幸いです♪

おしまい。


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こんにちは。

先日の梅雨入り発表(関東)から4日目。なぜか梅雨入り発表当日(6日)以外はずっと晴れ。しかも30℃近くまで気温が上がるほぼ夏日(;´・ω・)。明日は雨が降る予報ですが、せっかくの日曜日に雨っていうのも嫌なものですね。
気象庁に文句を言うつもりはないですが、ここ数年の異常気象は、人類の進歩とともに過剰なまでに便利になった技術革新。そのために犠牲となった自然環境。このツケなのかもしれないと思うと、何でも便利になるというのも考えモノですね。

さて、今日のテーマは「空室問題を考える」です。
どちらかというと、お部屋探しをするお客さん向けというよりは、大家さん(借主)や管理会社向けの内容かもしれませんが、大事なことだと思うので、持論を展開していきます。

ここ数年、色々な問題を抱えながらも「サラリーマン投資家」に代表されるように、不動産投資、特に賃貸アパート投資がいまだ続いております。僕の会社にも毎日のように「新築アパートの販売図面」「アパート用地買います!!」といった内容のDMが多数届くことからも、もうしばらくこの状態は続くのでしょう。

建築会社やアパート分譲会社は「人口が減ろうが」「空室率が高まろうが」、「建て続け」「売り続け」なければなりません。特に、投資(一棟もの)になると、「市場のニーズ≦利回り重視」となり、単身向けのアパートが増え続けます。
そして、建てる側の理屈としては「核家族化が進み、単身用のニーズはこれからも安定して見込める」そうですが、いくらなんでも供給過多であると思います。

全国的に空室率の高まりが問題になり、都心への人口集中が叫ばれていますが、体感では都内でも空室率は10~15%くらいあるような気がします。(いろいろな統計の取り方があるため、あくまでも体感です(笑))
特に1~3月の賃貸の繁忙期にはお部屋探しのお客さんが増える為、空室率は一時的に下がりますが、この時期を逃してしまうとお客さんはパタッといなくなります。
しかし、新築物件は年中供給され続ける為、結果、既存の物件はシーズンオフにはますます決まりにくくなります。

こうなってくると、管理会社や大家さんも自分の物件の空室対策を真剣に考えるようになります。
よく見かける空室対策として、
「敷金礼金なし」「フリーレント〇ヶ月」「家賃の大幅値下げ」「壁紙のカラーセレクト」などの募集促進キャンペーンです。
(この他、仲介営業マン個人へのキャッシュバックなどの裏技もありますが、コンプライアンス的には問題がありますので、僕はやりません(;´・ω・))

これらの施策はもちろんやらないよりもやったほうがいいですが、その前にやるべきことがあると思います。

「できる限り今の入居者に住み続けてもらい、空室を発生させない。」

これです。

そもそも空室が発生した理由を考えることです。もちろん防止できない解約理由もあるでしょう。
「家を買ったため」「実家に帰るため」「転勤のため」などなど。
これらの理由は大家さんには回避できませんから、受け入れるしかありません。

ただ、「更新時期が来たが、更新料がもったいない」「より好条件の物件があったから」という理由で住みかえる方も多いのが現実です。

空室が発生しなければ、家賃も継続的に入ってきますし、リフォーム代もかかりません。
しかし、空室が発生すると家賃は「一時的に中断し下がる」ことも多く、さらに「多額のリフォーム代」もかかります。

そこで大切になってくる考え方が「テナント(=賃借人)リテンション(=維持する)」です。

次回の記事ではこのテナントリテンションにどんなやり方があるか、考えてみたいと思います。

つづく。

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